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イリザロフ法(ホーリーフィックス法)VS. LON法: 困難な選択
Precice2.2法やPrecice Stryde法などの最新技術の、美容目的の骨延長手術方法があるにもかかわらず、イリザロフ法(Ilizarov)やLON法(Lengthening Over Nails)などの骨延長手術方法に対する需要は、今もかなり高いです。その主な原因は、LON法とイリザロフ法で使用されている装置や器具が、Precice2.2法やPrecice Stryde法で使用されている電動釘に比べて手頃な価格と、また、患者さんの長年にわたる経験から得られた信頼性です。しかし、完全創外固定式方法 (イリザロフ法/ホーリーフィックス法/TSF)とLON法の2つの方法のどちらかを選択するのはどうでしょうか?この記事では、長年にわたり重ねてきた豊富な経験と、私たち弊社の研究結果を踏まえ、この2つの手術法を紹介し、両方の方法で行われる骨延長手術について、より詳細な情報を提供いたします。
これらの骨延長手術方法の大きな違いはさておき、イリザロフ法とLON法に共通する重要な点が1つあります。創外固定器です。これは多くの患者さんが骨延長手術を検討する決め手となります。患者さんの脚に創外固定器が取り付けられているため、創外固定器と繋がっている金属製ピンが皮膚や軟部組織に入り込み、骨を固定させます。そのため、定期的にピン部位のケアと包帯の交換が必要になります。明らかに、開いたままの穴があるため、ピン周囲のケアに十分な注意を払わないと、これらの傷口から感染するリスクがあります。創外固定器の使用期間が長くなればなるほど、補助的な作業が増え、患者さんの感染リスクが高まります。また、脚に金属製の固定具があると、固定期間中の可動性が制限され、かなりの痛みと不快感が生じる恐れがあります。これらすべてを考慮に入れると、骨延長手術を受けたい患者さんができるだけ早く創外固定器を取り除くことを望んでいることは明らかです。
R. D. Burghardt氏、D. Paley氏(とその他)が実施した研究の結果によると、「LON法で手術を受けた患者さんが形成するグループの平均固定期間は2.6か月に対して、イリザロフ法のグループでは7.6か月でした」*。2つの方法の固定期間での大きな違いは、LON法に大きな優位性があることを明確にしています。外部装置の早期除去は、患者さんのモチベーションと心理にもプラスの影響を与えます。モチベーションの高い患者さんは、理学療法や運動により多くの努力を注ぎ、より短い時間でより良い結果を得ることができます。固定具の早期除去のもう1つの重要な結果は、患者さんがイリザロフ法、またはホーリーフィックス法よりも早く日常生活(お仕事や勉強)に戻ることができることです。
Holyfix(完全外部式)法とLON法の視覚的な比較。LON法の骨髄内釘の存在に注意してください。
LON法のもう1つの利点は、延長期間中の骨の安定性が向上することです。これは、骨の髄腔に埋め込まれた骨髄内釘によるものです。LON法のこの圧倒的な利点は、R. D. Burghardt氏やD. Paley氏たちによる同じ研究でも裏付けられ、「3人のLON法患者さんでは、円形フレームに配置された外部ヒンジを使用して、延長中に発生した軸方向のずれを修正しました。イリザロフ法グループ(イリザロフ法で手術された患者さんのグループ)の7人の患者さんでは、延長中に軸方向のずれが発生しました。」*ということです。LON法グループの3人の患者さんとイリザロフ法グループの7人の患者さんの間では有意差がありますが、発表された研究では各方法で限られた数の患者さんしか手術を受けていませんです。しかし、同じ結果は弊社の患者さんの経験からも確認されています。ホーリーフィックス(Ilizarov法に基づく近代化された棒型の外部デバイスを使用した手法)で手術を受けた患者さんでは、延長期間中に撮影されたX線で骨のわずかなずれが観察されています。その理由は、骨を支え、内側から押さえる骨髄内釘がないからです。幸いなことに、このわずかなずれは、Ilizarov/Holyfix法で使用される外部デバイスをさらに調整することで修正できるものです。仮骨が固まる前に、角度を調整することで正確な位置に固定することができます。この種類の逸脱は、LON法で手術を受けた患者さんではめったに見られません。
D. Burghardt氏やD. Paley氏たちによると、LON法での手術の主な3つの利点は、「創外固定による治療期間の短縮、新しく形成される仮骨の骨折防止と、膝と足首の可動域でのより速い回復」です。
LON法は多くの面で、従来の外部式方法と比較してより優れていますが、欠点もあります。その1つはコストアップです。LON法は、2つの主な理由でIlizarov/Holyfix法よりも費用が高いです。外部装置に加えて使用される骨髄内釘の生産費用と、LON法で行われる骨延長手術に必要な、より高いスキルとより長い手術時間による手術スタッフの費用での増加が挙げられます。
比較するために、Holyfix法による骨延長手術が平均15,000米ドル(現在、弊社では行われません)で行われますが、LON法での手術は弊社で22,850$米ドル(2023年4月1日現時点で)となっています。医師が適用する方法とそれぞれの費用(およびパッケージに含まれるサービス)の詳細については、サービスをご覧ください。
一方、LON法では骨にまで侵入する可能性のある深部感染症のリスクがあります。これは 2つのことで事前に防止することができます。1番目は医師が外部装置のピンが骨髄内釘に接触しないようにすることと(これは、ほぼすべての経験豊富な骨延長外科医によって実行されます)、2番目は患者さんが、ピン周囲のケアに細心の注意を払うことです。足のケアと体の全体的な衛生管理に注意し、表面に感染の兆候がわずかでもある場合は、いつでも医師に通知する必要があります。言うまでもなく、医師の推奨事項に従うことで、深刻な感染を防ぐのは非常に簡単です。患者さまが退院される前に、包帯の交換方法やピン部位の洗浄方法について、医師や医師助手により、患者さまご自身でもできるように丁寧に説明されます。
しかしそれでも、Ilizarov/Holyfix法ではピン部位が感染する可能性はありますが(実際、Ilizarov法、およびLON法の患者さんの20~30%では、ピン部位の軽度の感染が見られます)、骨にまで広がり、重大な合併症を引き起こすような感染の可能性は非常に低いです。それにもかかわらず、感染のわずかな兆候があっても、適切な注意を払う必要があります。軽度の感染症は、経口抗生物質と防腐剤によるピン部位の完全な洗浄で完全に治療可能です。私たちの管理下でトルコに滞在している患者さまのために、医師助手がこの追加のケアを提供し、感染がおおよそ1週間以内に治療されます。手術直後にご自分の国に戻る患者さまは、地元の病院を訪問するか、骨延長を行った外科医に連絡してさらなる指導を受けることができます。
結論として、それぞれの手術方法にも長所と短所の両方があるため、骨延長手術の方法の選択することは非常に難しい場合があります。この難しさを認識して、各方法の長所と短所を紹介するためにこの記事が執筆されました。身長を伸ばすための手術を検討する際の意思決定をより容易にするために、予算により優しい2つの方法が比較されました。無料オンライン相談や各方法の詳細については、いつでも患者コンサルタントまでお問い合わせできることを忘れないでください。
* R. D. Burghardt、MD、研究コーディネーター、A. Manzotti、MD、ディレクター、A. Bhave、PT、リハビリテーション部長、D. Paley、MD、FRCSC、ディレクター、J. E. Herzenberg、MD、FRCSC、ディレクター「症例対照研究、骨髄内釘を使用した下腿骨延長とイリザロフ法での下腿骨延長との比較」、骨関節外科研究、2016、Jan.;5(1):1~10。2016年8月17日にオンラインで公開されました。
骨延長プロセス、手術費用、手術方法、又は手術法の相違点など骨延長に関する全ての情報は弊社の患者コンサルタントから得られます。